音に関する環境を重視して部屋探しをするなら、2つのパターンがあります。
「自分が出す音で他人に迷惑をかける可能性がある場合」と、「他人の音を聞きたくない場合」です。

それぞれ、例えばこのような人が該当するでしょう。

「自分が出す音で他人に迷惑をかける可能性がある場合」
→楽器を弾いたり、友人を招く機会が多い人。

「他人の音を聞きたくない場合」
→眠りが浅くて、外の音が気になってしまう人

住まいに関する音のあれこれは、トラブルに発展しやすい物です。騒音が気になる人も、騒音を出してしまう人も、出来るだけ入居の時点で、そういったトラブルと距離を取れる可能性の高い物件を選ぶ様にしてみましょう。

探し方の方向性は3つ

お客さまの希望、性質により、音に関する部屋探しの難易度は随分変わります。
探し方の方向性は3つあります。

  • 「遮音されている環境」
  • 「音が漏れても気にされない環境」
  • 「騒音の元となる施設が近辺に無い環境」

まずお客さまご自身が他所の家の音を聞きたく無い場合。
これは建物自体が遮音・望遠性の高い物で、なおかつ周辺に大きな音が出る施設の無い環境を探す事になるので、かなり条件は厳しくなります。

反対に、外からの音が聞こえる分には気にならない人なら、部屋探しの難易度はぐっと下がります。
防音・遮音だけでなく「音を出しても気にされない」方向性でも探すことができるからです。

今回はまず一番シビアなパターン、他所の音を聞きたくない人の部屋探しのアドバイスです。

他所の音を聞かずに済む部屋選びの注目ポイント

「遮音・防音性の高い環境」は、とにかく建物の構造が第一のポイントとなります。

構造で選ぶなら鉄筋コンクリート(RC)、または鉄筋鉄骨コンクリート建築(SRC)で決まり!

鉄筋鉄骨コンクリート製のマンションイメージ
鉄筋コンクリート(RC)、に鉄筋鉄骨コンクリート建築(SRC)、いかにも頑丈で音漏れしなさそうな名前の構造ですね。

ここではその構造の詳細説明は省きますが、この2つは防音以外に、耐震や防火面でも優秀なので、防音・遮音にこだわるなら、まずこの構造である事が絶対条件と言えます。

内覧の際に壁を叩いてみましょう

建物がせっかく鉄筋コンクリート(RC)や鉄筋鉄骨コンクリート建築(SRC)であっても、個々の部屋を隔てている壁が薄い可能性は十分にあります。

内覧の際に隣の部屋と隔てる壁を叩いてみてください。
あっ、もしグーの握りこぶしで叩いて穴が空いたら大変なので、パーで叩きましょうね(^^;;

叩いた時の音が、天板の薄い机やテーブルを叩いた音のように、大きく広がって響いたり、部屋全体に振動が伝わるように感じだった場合、かなり壁が薄い可能性があります。
最初は分かり難くても、何件か回ってみるうちに、部屋ごとにかなり差があることが分かるようになるはずです。

その際あらかじめ、同行する営業マンには音の面でシビアに選びたい旨を伝えておくと、余計なトラブルも無くスムーズです。お客さまが毎月大切なお金を家賃として支払って住む部屋を選ぶので、ここは妥協しないでください。

隣の家との間にクローゼットのある間取り

部屋の壁を叩いて理想の部屋を探そうにも、かなり選択肢が狭まってしまい、部屋探しが難航する事もあるはずです。

その際は妥協点を探す事になります。例えば、とにかく静かな環境で寝たいと、防音・遮音を重視する部屋が寝室だけでも構わない場合、寝室にする部屋のクローゼットの位置に注目してください

隣家との間にクローゼットのある部屋

たとえば、こういった間取りであれば、実質的に隣の家との間の壁が2重になるので、少し防音性がアップする事になります。
参考程度に意識してみてくださいね。

周辺に騒音が大きくなりやすい施設のある部屋を避ける

昼間に騒音が大きくなりやすい周辺施設の例

  • 幼稚園や保育園、学校、公園(子供達の声を騒音というのも可哀想ですが……)
  • 工場

夜間に騒音が大きくなりやすい周辺施設の例

  • お酒を出す飲食店
  • コンビニ

特に飲食店やコンビニは近くになると便利な施設ではありますが、店の外で人がたむろして騒ぎ声が大きくなる事も多いので、注意が必要です。

また、こういった施設にどれだけ気を使っても、昼間に楽器の音がしたり、夜間に動物の鳴き声が聞こえる事もあります。こういった騒音に関しては、仮にクレームを入れても簡単には解決出来ない事が多いので、現実的には運の要素が強くなります。

線路や高速道路沿いの家であっても、窓を閉めて聞こえないなら優秀な構造である可能性も!

線路沿いの家に思わぬ防音物件も?

上記のリスト、普通なら「高速道路」や「鉄道線路」が真っ先に入りそうなものですが、あえて入れていません。

これは、マンションや建物によっては、最初から騒音の出る施設の近くに建つことを踏まえて「二重サッシ」や「二重窓(複層ガラス・ペアガラス)」をはじめとした防音対策がとられている事があります。こういった住宅は、窓さえ占めてしまえば、とても静かな環境になります。

窓を締めて生活する事に問題なければ、これは本当におすすめの条件です。
あまりこういった情報は不動産ポータルサイトでは検索できない上、正直なところ、不動産仲介業者でも把握が追いついていないのが実情です。なので、実際にみて確かめるのが一番です。

コツとして、線路や高速道路沿いの築浅だったり、最近リノベーションしたばかりの住宅の場合は防音対策が良くとられている可能性が高くなります。

部屋に入った際、出来れば、窓を占めた状態で電車が一本通るのを待ってみるのがおすすめです。この音が許容範囲であれば、掘り出し物の防音住宅と言えます(^^

次回は外からの音は気にならないけど、自分の騒音が元でトラブルを起こしたくないかたのための物件探しのコツを紹介します。